NPO(特定非営利活動)法人 ワークショップ「いふ」
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  陶器開発報告
 
1)はじめに 2)食器に関するニーズ調査結果 3)窯元の商品開発 4)モニター会リポート
■はじめに
誰もが、より豊かに食事を楽しむことができるように
食事は餌ではありません。
 
満腹になるだけで満足するものではなく、おいしく頂く事、楽しく味わえる事がとても大切です。「食育」という言葉もあります。精神的に求められる「食事・食育」は、「いつ・誰と・どのように・どうやって食べる」かが重要で、食欲をそそる盛り付けなのに、スプーンですくえない、抱えられないとしたら「楽しい食事」はできないし、「悲しい食事」になってしまいます。
食器にも「UD(ユニバーサルデザイン)」の視点が必要です。
 
「一見普通」だけど「ちょっと違う」「使いやすい」「抱え易い」「安定感がある」「簡単にひっくり返らない」「スプーンですくい易い」などの工夫が加えられるなら・・・

熊本県のパートナーシップ実証実験事業「陶器のUD化に向けたモニタリング調査・研究」で、特別ではない「普通」であって、使いやすい陶器「UD陶器」を、荒尾・玉名地域の窯元が競作していただく事になりました。

■進め方について
(1)利用者ニーズの明確化
  ニーズ調査の実施 (対象) 在宅介護者よ要介護者/施設利用者とサービス提供者  
(2)デザイン上の課題の明確化  
  既成UD陶器の調査と買いまわり
調査の取りまとめ
 
(3)デザイン案の作成、デザインの事前評価
  窯元とのミーティング
・調査結果の報告
・既成UD陶器の試用調査
・各作家の案、質問などを出し合い、デザインへの発想を膨らませてもらう
 
(4)デザインの決定、デザインの具体化
  8窯元が各自製作へ  
(5)デザインの利用・使用開始  
  作品の完成
作家間での意見交換
 
(6)デザインの事後評価  
  老人保健施設でのモニター会の実施
まとめ
 

■UD食器の考察と提言

「UD食器」の新しい捉え方

UD食器は介護食器でも障害者用食器でもありません。新しい捉え方が求められています。介護が必要な方でマヒのある方、握力が弱い方、全介護を必要とする方、それぞれで求められる形や機能は異なります。

UD食器は「全ての人に使い易い」という視点を求められ、個別対応での満足提供は難しいといえます。プラスティックは軽く割れませんが、陶器は軽くするために薄くすると割れやすく、落とせば割れます。しかし、温もり・豊かさ、趣があります。

障害を持つ人・介護を必要とする人と特定するのではなく「一見普通。使うと何かが違う。使い易い」という商品開発こそ「UD食器」に求められる原点と思われます。
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